はじめに

盛鶴延

はじめに

古代中国に〝假傳萬言書、眞傳一張紙〟という言葉があります。

もし気功というものを表面的な知識で書くのであれば、何万ページにもわたる本が書けます。

でも本当に大切な部分、真髄を書こうと思ったら、それほど厚い本にはなりません。つまり、簡潔に書かれているということは、それだけ大切なことを書いているということです。

気功を学びにくる生徒の方々の中には、気功を神秘的なものと考えている方もいます。また、気功を学ぶと身体が軽くなった、風邪をひかなくなった、という方もいます。でも気功の世界はそれだけの世界ではありません。

気功はその真髄を理解しないと、どんなに長い時間練習をしても、どういうものかを理解することができません。実際そういう方が多いのです。

私は日本に来て三十年になります。この間、本当に多くの日本の方々にお世話になりました。そのお世話になった多くの方々に感謝の気持ちを込めて、そして今後気功文化を引き継いでいく方々に、私自身の集大成として、中国五千年の歴史からなる気功文化の真髄、奥義をお伝えしたいと思っています。それがこの本を執筆する目的です。

しかしいくら本で学んでも、自分で練習しなければ、本当の気功の世界はわからないでしょう。それはただ頭で理解しただけ、知識だけの世界だからです。私はそれをあまり良いとは思っていません。私は少しずつでも、皆さんと一緒に修行していくという道が好きですね。

気功は毎日続けることが重要です。気功は目的ではなく手段です。最終目的は自分でその効果を実感することです。そして人生を健康で幸福に生きることです。

ぜひしっかり練習して、ご自身のものとしてください。もしご自身のものとすることができれば、それは皆さんにとって一生の宝となるでしょう。

気功を通じ、皆さんの人生が豊かになることを祈っています。

 二〇一八年七月 盛 鶴延